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11/2 匿名の方
泡沫彷徨、ご感想をありがとうございました。
この話が全ての下敷きの上に、全ての作品は成り立っているつもりです。
(時間軸では、「肴」以外は泡沫彷徨が一番最初にきます)
出足からイタイ話なので、全部読まないとハッピーエンドに至らないのですが
これが根底にあるから、その他のウタホタのやりとりが成り立つので
通しで読んで頂けて、嬉しいです。
すっかり放置していましたが
お礼の代わりに、また新しく新作を一歩進めてみました。
ちゃんと最後まで、書けるといいんですが・・・。
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テーマ : NARUTO
ジャンル : アニメ・コミック

護衛の君(3)

抜け忍を雇うなんて輩は、ろくでもない奴ばかりだ。
何故なら、まっとうな人間ならば普通、里を通して仕事の依頼をする。
それが出来ない何か・・・
後ろ暗い理由がなければ、里を介さず忍びを雇うなんてありえない。

本来、雇われた忍びと、依頼人との間で
何かトラブルが起これば、里が、
ひいては里が所属する国が間に入って、
問題を処理してくれる。

だが、里に属さない抜け忍となれば、話は別だ。
例えば、依頼人が途方もない無茶な命令をしてきても、
挙句に報酬を支払わなくても、
全ての問題を解決するのは、己の才覚一つきり。
背後を守ってくれる、里も国も持たない身ならば、それは当然の話。
だから、抜け忍の身分のまま、仕事をするのはそれ相当の危険が伴う。

キツネとタヌキの化かし合い。

依頼人に、いいように利用されるだけでは済ませない。
そのくせ、依頼人の命令に従って、任務を遂行する。
文字通り、命を賭けた趣味の悪い綱渡りのような物。

だから・・・
連れてくるべきじゃなかったんだ。
ホタルを

この世で、俺が最も大切だと思う女。
多分、あの世に行っても(実際、逝きかけた事もあるが)
俺にとって、ホタルは一番大事な存在。

大切で、守りたくて、
・・・・・・その、つまり・・・だ



・・・・・・愛している女




それを、わざわざ危険と分かる、仕事に連れて来た俺は、
師匠という立場、それ以前に、
ホタルの保護者であり、
い・・・一応・・・、こ・・・・・・
・・・恋人・・・のつもりな男として、
本当に、本気で、間違いなく、大馬鹿だ。


「おい・・・」
「何かな?」

比較的、人通りの多い街道の宿場町。
まだ昼間で、人目もある。
こんな往来で、戦い仕掛けてくる敵もそれほどいないはず。

十分に警戒を怠らないよう言い置いて、
近くの店へ、水や食料の買出しにホタルを行かせた。
少し離れた店先で、あれこれ店主と商品について話しているらしい
ホタルの姿を、視界の端で確認しつつ、
俺はオズヌに話しかけた。


「ここの所、毎日、襲撃があるな」
「そうだね。今朝・・・身だしなみを整える前、襲って来たのには、
 閉口したよ。
 顔を洗う時間も与えないとは、
 紳士にあるまじき、無粋さだ」
「アサシン(暗殺者)相手に、紳士的行動を求める方が無粋に思うが?」
「はっはは確かに、ウタカタ君。君はなかなか、楽しいことを言う男だ」


のん気に笑う、爺さんを前に、俺は一つため息をつく。
こっちは、ちっとも楽しくない。
のらりくらり
こちらの問いに、まともな答えが返って来たためしがない。
オズヌとの会話は、いつも捕らえ所が見つからず、
けれどホタルが席を外した今、聞いておかねばならないことがある。
危険な仕事に連れて来ておいて、今更だが、
他の誰でもなく、ホタルの身の安全のため、
ここは絶対に、譲れない。



「アンタの目的は何だ?」
「無論、私自身の身の安全だ」
「・・・そのわりに、ホタルが危なくなると、体張ってあいつを守るのは、
 どういうつもりだ?」
「目の前で、愛らしい少女が危険に陥れば、
 依頼人と護衛の垣根など踏み越え、
 守るのは、紳士として当然の行いだと思うがね?」
「・・・聞き方が悪かったな。
 襲撃は、日に日に増える一方だ。
 そして、敵の標的はアンタじゃない。
 明らかにホタルに絞られている」
「・・・確かに、ホタル君は可愛いからね。
 つい目的を忘れて、美人の方と遊びたくなるのが人情だろう」
「・・・・・・奴らは、全員、ホタルが禁術の継承者であると、
 知っている素振りなのは、オズヌさん、アンタがその情報を、
 意図的に流している・・・とは、俺の思い違いだろうか?」


土蜘蛛一族の、禁術は失われた。

少し前まで、その事実は大陸全土を駆け巡っていたはず。
なのに、目の前に現れる敵、その全てが、失われたはずの禁術の存在を口にする。
まるで、いまだにホタルがそれを手にしているかの如く・・・。

実際、禁術はもうホタルの手から離れている。
実は、形を変え、別に存在していることは、
おそらく、ホタルを含め、誰一人知らないはず。

俺は、依頼人を真正面から見据えた。


「もう一度、聞く。
 アンタの目的は何だ?」



(つづく)



テーマ : NARUTO
ジャンル : アニメ・コミック

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6/13 匿名の方
お返事が激しく長く遅くなりました
そしてご感想ありがとうございます
ものすごく楽しく拝読しました
むっつり師匠・・・(笑)
こんな師匠でも喜んでくれるのなら、書いてよかったとそう思えます
・・・本当に、むっつりで、ツンデレで・・・デレデレな内心は
まったくホタルに通じてないようですけどね

7/14 の方
護衛の君、続きのリクエストコールをありがとうございます
書かなくちゃと思いながら、つい先延ばしになっていました
むっつり師匠と、そのむっつりな心がわかってないホタルの
珍道中
ロマンスグレーなゲスト含んで、まだ続きますので
頑張ります
でも・・・こんな話でも、いいんでしょうか?

7/15 の方
更新再開、お待ちいただいてありがとうございます
待ってくださる方がいるって分かって
おかげで、ようやくまた書き始められました
立ち止まることが多いので
またこーして手首引っ張って前に進めて頂けたら
ありがたいですね
本当に、すぐ立ち止まっちゃうんですよ

護衛の君(鏡面)

ひつとだけ・・・
たったひとつだけ
何でも願いが叶う魔法が使えたら・・・

現実に、そんな都合のいい呪文なんてありっこないって
分かっているけど

そう、もう子どもじゃないんだもの
それくらい知っている
だけど・・・


例えば、魔法のランプ
こすると魔人が現れて
お願いごとを叶えてくれるお話


例えば、山の中で助けたキツネの子
その子は、実は神様で、
お前の望みを叶えてやろうって、言うお話



子どもの頃
遁兵衛にせがんで、何度も聞かせてもらった
おとぎ話
それはどれも夢物語で
現実には、ありっこないんだって・・・

もしも、そんな奇跡があったら
きっと私は
おじい様が、亡くならないようにお願いする
私にも、一族の禁術を体得出来るようにお願いする
それに・・・

ずっと、ずっと待ちぼうけして
なかなか戻って来なかったウタカタ師匠

待って、待って、待ち続けて、
泣いて、泣いて、泣き続けて、
探して、探して、探し続けて、

私の命でも、何でもいい
どんな事と引き換えにしてでも
ウタカタ様を取り戻して下さい
そう、願った時は・・・
結果的に、思いは叶えられたけれど

ようやく見つけた時、ウタカタ様は
傷だらけで、ボロボロで・・・

今はすっかり元気になって、
あんな死にそうだった事なんて、
忘れているみたいだけれど

そう
願い事なんて、なかなか叶わないのが現実
だから、自分で努力して
夢を現実にするしかないって事

一族の復興のため
禁術を使いこなせるようになるため
ウタカタ様の弟子にしてもらうため

体当たりで、命懸けで
いつだって全力で努力してきた・・・
つもり・・・
だったけど・・・


「大丈夫かな?お嬢さん・・・、いや、
 ゴホン・・・、ホタル?」

「は、はい・・・。
 ありがとうございます、オズ・・・おじい様」


ウタカタ師匠が決めた、護衛のお仕事
オズヌさんという男の人を、守るため
孫のふりして、ガードする

・・・ガードしなくちゃいけないのに

街道で、突然回りを囲まれて
強い幻術使いと、毒使い
幾人もの忍者に、苦戦して

それでも、やっぱりウタカタ師匠はすごく強い
軽く身をかわして、反撃して

「ホタル、じいさんを守れ」
「はいっ」

そう指示されたのに・・・・・・


ため息しか出てこない
師匠譲りのしゃぼん玉術
チャクラを練り込んで、膨らませて
オズヌさんごと、すっぽり包んで守ろうとしたけれど
幻術の目くらましに遭って
それから・・・


気が付いたら、オズヌさんの腕に抱き上げられていた
小さな子どもみたく、横抱きされて
護衛のはずが
依頼人に助けられちゃうなんて


ホタルお前は、砦で待っていろ


そう言う師匠に逆らって
無理矢理ついてきたのに
足を引っ張る真似をして


「ホタル・・・」

敵が全員逃げ出して
戻って来たウタカタ師匠

謝らなくちゃ
反省しなくちゃ
こんな不出来な弟子は
もう破門だと言われる前に
そう思うのに、ぐるぐる頭の中で
言葉が回って
何一つ、声が出てこなくて

「ひっく・・・」

結局、泣き出しそうになって
嗚咽をこらえるので精一杯

「怪我はないな?」

訊かれたことに、頷くことしか出来なくて
ウタカタ様は、すぐに私から目を逸らした

「申し訳ない、オズヌ殿。お怪我は?」
「大丈夫。愛らしい孫が、途中まで美しいしゃぼん玉で守ってくれていたからの」
「・・・師として、弟子の未熟をお詫びします」

襲撃の直後なのに
世間話でもするみたい
ゆるゆると交わされる
二人の会話

その間も、ウタカタ師匠は私を見ない

そう、オズヌさんの孫に変装するため
普段と違う
女の子らしい服を着てから
ウタカタ様は、ずっと目を逸らしたまま


似合わないのは分かってる
こんな綺麗で、可愛い格好

泥にまみれて、汗みずくで
修行の途中なんだもの
こんな風に、おしゃれするなんて
浮ついて、みっともないこと

分かっているけど
護衛のお仕事のためだもの
仕方がないじゃないですか?


・・・ひとつだけ
たったひとつだけ
何でも願いが叶う魔法が使えたら・・・


ほんの少しだけでいい
ウタカタ様に
可愛いって
綺麗だって
思ってもらえる姿に生まれたかった・・・


一族の復興でもなく
立派な忍びになることでもなく
こんなこと願う
みっともない私

醜くて
弱くて
汚い子


落ち込む心を必死に隠す
今は、仕事の途中なんだから
これ以上
師匠に恥をかかせないように
もっとしっかり、オズヌさんを守らなきゃ・・・


・・・そういえば
さっきの刺客たち
オズヌさんよりも
私を狙ってたみたいだけれど・・・

それもきっと気のせいね
ホタル
しゃんと、しなさい
くだらないこと考えてないで
少しだけでも、ウタカタ様の
手助けにならないといけないんだから、ね・・・



(つづく)


テーマ : NARUTO
ジャンル : アニメ・コミック

護衛の君(2)

ホタルは磨けば光る玉。

それは一番、俺がよく知っていた。
元々、顔立ちは整っている。
すんなりした手足と、締まる所は締まって、
出ている所は、しっかり出ている・・・、
つまりイイ体した、抜群のスタイルの良さ。

本来なら、親のスネかじって、小遣いせびって、
適当に遊びほうけていられる年頃だ。
なのに俺の弟子・・・、ホタルときたら、
まだ若いくせに、遊びの一つも知りはしない。

もちろん、化粧もしない、
(しなくても十分に可愛い事実は、口が裂けても言えないが)
若い娘らしい、ヒラヒラした衣装で着飾る姿も見た事がない。

一族の復興だ、忍の修行だと・・・。
私生活は、呆れるほど色気の欠片もない青春送っていやがるわけで・・・。
師匠である以前に、ホタルを大切に想う一人の男として俺は、
たまには羽伸ばしをさせてやりたくもあり、
綺麗に着飾ってやりたくもあり・・・。

そんなこんなで、引き受けた護衛の仕事。
依頼人は、嫌味かと思えるほど顔が良く、
年のわりに背が高く・・・。
その上、金持ちで、落ち着いた物腰。
何より、ホタル好みの年寄りときたもんだ。


「諸事情があってな、私の名は仮に、・・・そうだな・・・オズヌと呼んでほしい」
「はい、オズヌさん」
「だが、私は狙われている。周囲からは、君の祖父に見えるように演技してもらいたい。
 ごく普通の、孫と一緒の旅行者と見えるようにね。
 つまり人の目がある所では、私の呼び方は・・・」
「えっと、・・・おじい様」
「そう。その調子だ」
「はいっ」


ホタルに対して、いかにも好感触・・・ってな雰囲気丸出し。
これまた好々爺然とした口調で、ホタルに話しかけるジジイ・・・、もとい依頼人。
おい、こら。
直接の仕事相手は俺であって、ホタルはあくまで助手だぞ。
何勝手に、演技指導してやがる。


「あの・・・、私がオズヌさんの孫なら、ウタカタ師匠は・・・」
「そうだな。ウタカタ君の場合は・・・、
 旅について来た護衛・・・には見えないな。
 そうかと言って、ホタルくん、君の兄・・・つまり、
 私の孫にも見えないな・・・。
 ふむ。
 行き先がたまたま一緒と知って、一時的に行動を共にしている、
 赤の他人・・・と、こんな所が怪しまれずに良いだろう」


勝手に、配役まで決めるつもりか、おい。


「ホタルさん・・・、いや、この場合は私の孫に見えるよう、呼び捨てにさせてもらうよ」
「はい、・・・おじい様」
「ウタカタくんの事もそうだ。師匠と呼んでは、正体がばれてしまうよ」
「じゃあ・・・、ウタカタ様で」
「たまたま出会って、旅の道連れ相手に、様・・・は少しね」
「なら・・・、ウタカタ・・・さん?」
「そう、それでいい」


何、話まとめていやがる。

「ウタカタししょ・・・、じゃない。ウタカタさ・・・ん?
 そろそろ行きましょうか?」
「うむ。
 ぐずぐずしていては、日が暮れる」


怪訝そうに、背後から呼びかける声。
俺はホタル達に背を向けていた。
いかにも、周囲を警戒している動きをしながら・・・。


そう、これは仕事だ。


『仕事にくだらぬ私情は、挟まないのが忍ぞ』


・・・分かっていますよ、ハルサメ師匠。

俺は覚悟を決めて、振り返る。
その途端、

ばっくん

心臓が、飛び跳ねた。
体温が一気に急上昇。

「・・・ウタカタ・・・さん?」

小首かしげて、俺を見上げるホタル。
着ているのは、いつもの忍装束ではない。
ゆったりした、シャツ。
ふわふわした、スカート。
薄く化粧して、髪には真珠のついたリボン。


いつか着飾らせてやりたい。

そう思っていたのは否定しない。

けど、それは仕事のための変装なんかじゃなく、
あくまでも、リラックスした状況の・・・・・・。



いや、よそう。



これも仕事だ。
ホタルを綺麗にしてやれたのが、俺じゃなく、
あのジジイの財力だとしても。
それにいちいち、拗ねるほどガキじゃない。


「私・・・、変じゃないですか?
 こんなキレイな格好・・・」


いつも以上の、
何倍も、可愛い姿のホタルに、
いちいち、心拍数跳ね上げているほど、
俺は初心でも、純情でもないはずで・・・。



「ウタカタさま・・・じゃない、ウタカタさん?」



ダメだ。
やっぱり、まともにホタルの顔が見られない。

お前、反則だぞ、卑怯だぞ。
ただでさえ可愛いのに、
眩しすぎて、直視出来ないほど、綺麗に化けるなんて・・・。
本当に、先行きが不安になる。



(つづく)

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